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前立腺全摘除術 ‐ ロボットに負けない手術を ‐

前立腺全摘除術

前立腺がんの代表的な治療には、手術、放射線療法、男性ホルモン抑制療法、経過観察などいろいろいな方法があります。病状にあった治療法を選択してゆきます。
前立腺に限局した癌では、手術(根治的前立腺全摘)、放射線療法が選択されることが多くなっています。
当院での前立腺全摘手術は、全国でも上位の手術例数を行なっています。2012年では、年間72件でした。


尿失禁の減少・がんの根治性の向上・性機能の維持(神経温存)を目的に、内視鏡を用いモニター画面で術野を拡大しながらの手術を行っています。この方法により、前立腺周囲の組織を肉眼よりもよく観察することができます(左写真)。

この方法により、手術後の尿失禁の回復が早くなっています。


手術は2時間程度で終了します。短時間での手術は、それだけ患者さんへの身体の負担が少なくなり、また一般的に出血量なども少なくなります(低侵襲)。通常、翌日から、食事・歩行が可能です。

がんをすべて取り除くこと(根治性)を重視することは当然ですが、前立腺全摘の合併症である、術後の一時的尿失禁、勃起不全の頻度を少しでも減らし、またできるだけ短期間で手術前の状態に戻れるよう、日々努力を重ねています。そのために患者さんの排尿状態や、性機能などに関しての質問紙を手術前、手術後定期的に行い、患者さんからは言い出しにくい症状を把握し、適切な治療を行います。また、それらの治療成績を定期的に検討し、成績の向上を目指しています。